まずはこのとてもかわいい装丁の本を見てください。 発売から1ヶ月半以上経過していまさらの感がありますが、新刊のお知らせです。

 

エンディングドレス

 

『エンディングドレス』、ポプラ社より税込1620円です。上の写真ではわかりづらいですがこの装丁、イラストを描いていただいてそれをもとに刺繍してもらったものを撮影してデザインしています。装丁デザインは山影麻奈さん、もとのイラストは坂本ヒメミさん、刺繍は戸田未果さんです。

 

 ポプラ社のPR誌「asta*」に途中まで連載していた(連載はほんの前半部分だけだったので、掲載時に読んだくださったかたには「そこから物語が大きく動きます!」と声を大にして言いたい)ものがもとになっています。連載時は『エンディング・ドレス』とナカグロが入っていましたが、書籍名は『エンディングドレス』でナカグロが消滅しました。これには深遠なる意味があるわけではなく、デザイナーさんがデザインを組んだときに邪魔だったので取ってもらっただけです。

 

 私のここ数年の趣味のひとつに洋裁がありまして(つくったものを淡々とアップしている味気ない洋裁ブログはこちら)、洋裁をモチーフにした話を書きたいと思ったのがこの小説の発端でした。死ぬ準備を進めていた32歳の主人公・麻緒があるきっかけからエンディングドレス=死に装束を縫う洋裁教室に通うことになり、ミステリアスな先生やほかの生徒さんたちと課題に取り組んでいくうちに……というお話です。洋裁愛をぎゅぎゅっと詰め込んだ1冊になりました。ちなみに各章のタイトルはこんな感じ。

 

エンディングドレス

 

 毎回自分自身を深く掘っていくような課題を与えられ、それについて考えて手を動かし布から服をつくって……という展開になっています。いままで私の出した本のなかでは、いちばん間口の広い、さまざまな立場のひとに楽しんでいただける話になっているんじゃないかなと思います。『エンディング・ドレス』、よろしくお願いいたします。

 2018年、あけましておめでとうございます。私はポプラ社のPR文芸誌「asta*」に連載している『エンディング・ドレス』という小説を1月中に書き上げなければならず、大掃除もおせちづくりも放棄して(毎年ろくにやってないけど)しこしこ書き進めている最中です。年賀状は届いたぶんの返信only方式で……。

 

asta

 

 現在出ている1月号で連載4回め。ある理由から死ぬ準備を進めていた32歳女性の麻緒が、エンディング・ドレス=死に装束を縫う洋裁教室に通いはじめ、毎月の課題服を縫い、教室のメンバーと交流するなかで、自分を見つめ直すお話です。私の趣味である洋裁のネタをたっぷり盛り込んでいます。

「asta*」は書店で無料配布されているので、お見かけの際はお手に取ってみてください。北村みなみさんによる挿絵もふんわりした雰囲気でキュートです。今年の前半に単行本になるかな? どうなのかな? という感じなので、くわしいことが決まったらまた告知させてください。

 

 あと、年末に出た『猫とLOVELOVE』(宝島社)という猫ムックに、うちの猫が載っております。「猫に愛される飼い主になる」をテーマに猫と距離を縮める方法をあれこれ解説しているムックです。この本の分類によると、うちの猫は「人見知りのガラスハート猫」に該当するであろう。

 

猫とLOVELOVE

猫とLOVELOVE

 

 仔猫時代の写真と現在の写真が入りまじっているので、写真によってサイズ感がまったく違う……。

 猫といえば、去年の4月に出た『ニャンニャンにゃんそろじー』という猫小説&猫マンガを集めたアンソロジーに「ファントム・ペインのしっぽ」という小説を書いたのですが、このブログでは告知していなかったことに気付きました。

 

ニャンニャンにゃんそろじー

 

『ニャンニャンにゃんそろじー』、講談社より税込1,512円で発売中です。いまさらすぎる告知ではありますが……。

 

 というわけで、取り急ぎお知らせだけですが、2018年もよろしくお願いいたします。

 無事に確定申告も提出できたので、新刊の紹介をしたいと思います。書き下ろしの長編小説『凜』、発売になりました。講談社より税込1674円です。装丁は鈴木成一デザイン室、女の子の眼差しが印象的なイラストは大野博美さんの作品です。

 

凜

 

 大正初期の北海道のタコ部屋に連れてこられた東京の男子大学生、同じ時期に網走の遊郭へ向かう女性、そして現代の就活生がトリプル主人公のお話です。大正時代がメインの舞台ではありますが、残業時間の上限が100時間に決まったり企業のやりがい搾取が問題になったり芸能界やAV業界で問題が噴出したりしている今日このごろにも繋がる話になっています。資料を調べている最中、100年経ったのにこの国の構造はなにも変わっていないのでは……と怖くなりました。いままで書いてきたものとはかなり毛色が異なる、ザ・新境地って感じなので、世に送り出す側としては緊張で胃から万国旗や金魚を吐き出しそうな状態ですね。

 

 当初はぜんぜん違うタイトルで書いていたのですが、「漢字一文字で!」というオーダーを受けていろいろ考えてこれに決まりました。「豚」とか「腋」とかにならなくてよかったです。凜という漢字には「凜とした」というような意味合いのほかに「寒さが厳しいさま」という意味もあるそうです。ちなみに凜と凛は異字体で、どっちでもいいっちゃいいんですが、凜が正字で凛が俗字とのこと。

 

 書きはじめたのは2015年の6月ごろで、当時取材のためにおとずれた某駅はすでに廃止になってしまいました。そのとき撮った写真があるのでここに載せておきます。小説の冒頭あたりに出てくる駅なので、読めばどこなのかはわかるかと。

 

金華駅

 

金華駅

 

 トイレも自販機もない無人駅。壁には「熊出没注意!!」の貼り紙が貼られている(写真には写っていないけど)。ひとつ手前の駅にあったミニ図書館で司書さんに電車の乗りかたを訊ねると、「その駅に行きたいっていうひとにはじめて会いました!」と驚かれた。

 

金華駅

 

 うっかり電車に乗りそびれて、この駅で数時間過ごしたのですが、そのあいだ見かけた人間は畑仕事をするおばあさん1名、猫は5匹ぐらい。おばあさんと猫どちらからも警戒の眼差しで見られた。

 

金華駅

 

 数軒ある家の大半は廃屋。

 

慰霊碑

 

 小説のなかにも出てくる、タコ部屋労働者の追悼碑。

 

網走監獄

 

 おまけのセクシーショット。網走監獄の刺青が超ドープなマネキンたち。

 なんだか話が逸れてしまいましたが、新刊『凜』読んでいただけますとたいへん嬉しいです。