11月29日〜12日1日のあいだ上京し、毎日ストリップを観て過ごした。今回3日間で拝見した踊り子さんは23名(4劇場×6人香盤で24名になるところだけど、ひとり重複してる踊り子さんがいたので)。9月にも同じような行程でストリップを観に行ったのだけど、時間が経ってかなり忘れかけているので、今回はせっかく観たものを脳裏に焼きつけるためここに記録しておきたい。

 

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 11月29日、最初に向かったのは新宿ニューアート。ゴールデン街の入口の手前にある劇場です。お目当ては香山蘭さんと初見のMIKAさん。

 

新宿ニューアート


 香山さんは夏にやっていた「反戦歌」という戦前・戦中・戦後を舞台にした三部作の演目がほんとうに素晴らしくて感動して、大ファンになった踊り子さん。今回観たのはXmas限定演目と「闇夜のサーカス」という演目。Xmas限定のは着ぐるみのトナカイがうきうきとパーティの準備をしている……という内容で、香山さんは影のある演目が得意な踊り子さんという印象があったけど、これはかわいくてあったかくてハッピーな感じ!

「闇夜のサーカス」のほうは、見世物小屋的な仄暗く妖しい雰囲気があって超好みの演目でした。どちらの演目もお手製と思われる小道具がステージ上にいっぱいあって、そういう手づくり感も好き。選曲もユニークで「ここでその曲を持ってくるか〜!」という驚きがいつもある(ネットに曲名を出さないのがストリップのルールなので具体的な曲名は挙げられませんが……)。
 あと、香山さんはベットショー(回転盆で寝そべりながらおこなう裸のショー)に入ると、独特のチャームがまるで香水が振りまかれるようにぱ〜っと広がって、魔法をかけられているような気持ちになるんです。タトゥーやボディピアスがいっぱい入っている派手めのルックスと、ポラタイムのときのおっとりとやわらかい雰囲気のギャップもたまらない。かわいいえくぼとくっきりとした肩胛骨も好き。

 

 この劇場でのもうひとりのお目当て、MIKAさんはしばらく体調不良で休業されていたので、素晴らしいダンサーさんだという噂は聞いていたものの拝見する機会がなかったのですが、今回ようやく観ることができました。ノーブルな顔立ちも手足の長いすらっとした体型もうつくしくて、登場した瞬間から気持ちを持っていかれたのですが、とにかくダンスが素晴らしい!
 ベットショーからはじまってだんだん服を着ていくという、通常のストリップを逆回転で見ているような変則的な構成の演目で、全身全霊としか言いようのない魂のこもったダンスで……。服(マニッシュなパンツルック)を完全に着たあとのラストの曲は、踊ることについての歌詞で、いろんなことを乗り越えて踊っている彼女の気持ちとリンクしているようで、涙がだらだら流れてしまいました(観たことのないひとにはぴんとこないかもしれないけど、ストリップって泣けるんですよ! 女の私だけでなく、おじさんが眼鏡を外して眼を押さえたり鼻をすすったりしてるのもときどき見かける)。
 MIKAさんはポラタイムのときの対応もていねいで、どこまでも完璧な踊り子さんで、観ているこっちの背筋が伸びる思いでした。

 

 あと、この劇場で印象に残ったのは、少し前にデビューしたばかりの新人の中条彩乃さん。明るく素朴でひたむきな雰囲気があって、今後人気が出そう! ベットショーで脚の筋肉をぷるぷるさせながら必死にポーズをキープしているのを見て、一年後には別人のように成長していそうだとわくわくしましたね!

 

 もっと見ていたかったけれど途中で抜けて、すぐ近くにあるDX歌舞伎町へ。お目当ては真白希実さんと清水愛さん。

 

DX歌舞伎町


 清水さんはちいさなからだでキレッキレなダンスを激しく踊りまくる踊り子さん。この日に見たふたつの演目は、どちらもエアリアル・リング(空中に吊ったフラフープのようなもの)を使ったアクロバティックなもの。片方は以前川崎ロック座でも観た着物ドレスを着た演目で、もう片方はしっぽとお団子ヘアで猫になりきって踊る演目。どちらも凄まじい運動量で痺れるほど格好いい! あと、オープンショーでチップを口に咥えて笑顔で生き生きとポーズを決めているすがたも好き!

 

エアリアル・リング

 

 いっぽう、真白さんは伸びやかなダンスと華のあるルックスが魅力的で、登場した瞬間ステージが輝き出すようなオーラのある踊り子さんです。この日見たのは「Dreamcatcher」という演目と、今回のDX歌舞伎町だけの限定作。「Dreamcatcher」はインディアンかフラワーチルドレンっぽい衣裳で、限定作のほうは蛍光ピンクを基調としたビビットなカラーの衣裳で、どちらも持ち味である全身を大きく使ったダイナミックなダンスが素敵でした。

 真白さんを拝見するのは9月の横浜ロック座ぶりだったのですが、以前の贅肉のない引き締まった体型から女性的なやわらかさのあるボディラインに変わっていて、SNSを見ると意図的にボディメイクしてお肉をつけたようで、ダイエットしているつもりなのにどんどん肉がついていく私からすると信じられない意識の高さ……。真白さんはつねに髪がつやつやでメイクも素敵で、美意識に頭が下がる思いです。

 

 翌日、11月30日は川崎ロック座へ。お目当ては、8月に見たときに圧倒的なかわいらしさと歌う演目のユニークさにハートを射抜かれた小野寺梨紗さん。

 

川崎ロック座

 

 この週は複数の踊り子さんが歌う演目を出すという趣向を凝らした内容で、さらに進行によっては二人一組で歌いながらのダブルオープンもあり、お祭り感のある香盤でした。小野寺さんは前回観たときは演歌や洋楽を歌っていたのですが、今回はアイドルソング。本人が好きで歌っているんだなあと伝わってきて嬉しくなりました。相変わらず最高にかわいかった。

 

 なんといってもこの日印象に残ったのは、倖田李梨さんと若林美保さんのおねえさんコンビ! 倖田さんはストリップ歴は浅いものの、もともとVシネ女優や歌手など幅広い活動をしてきた芸達者なかたです。この日の最後の回に観た「SHOW GIRL」という演目は、静かなアカペラの歌唱からはじまって、超笑顔のベットショーで華々しく終わる、「ショウほど素敵な商売はない」と言わんばかりの内容で、圧倒的なエネルギーと自己肯定のパワーに感動して思わず涙が。

 そのあとに出てきた若林さんはベテランで、倖田さん同様にマルチに活動している踊り子さん。80年代ディスコナンバーをてんこ盛りにした演目は、千秋楽の最終回ということもあってものすごい盛り上がりに! こういう瞬間に出会いたくてストリップに通ってるんだよなあとアガりました。若林さんのその前の回の演目はエアリアル・ティシュー(細長い布を天井から吊ってそれに絡まって踊る)で、身長のある若林さんが空中で舞うのはダイナミックで見応えがありました。

 倖田さんの演目の途中、衣裳替えのあいだに若林さんが出てきて踊ったり、反対に若林さんが衣裳替えで引っ込んでいるあいだに倖田さんが踊ったりといったサプライズもあり、ふたりでのダブルオープンではオリジナルソングを歌っていて、それもすごく好みでよかったです。

 

 12月1日は前日と同じく川崎ロック座へ。といってもきのうまでとはメンバーが違い(浅草以外のストリップ劇場は10日ごとに出演者が入れ替わる)、お目当てはみおり舞さんと武藤つぐみさん。

 武藤つぐみさんは浅草ロック座では何度か拝見していたのですが、ポラ館でははじめて。ショートカットがボーイッシュな踊り子さんです。この日観たのは、あまりストリップでは観られないタイプのコンテンポラリー・ダンスの演目。もがきながら扉を叩き、つぎの世界へ進もうとする……みたいな振付です。英語の男性ヴォーカル曲に乗せて、センシティブな感情が細やかに表現されていて、剥き出しのとても尊いものを見せてもらった感じ。

 

 みおり舞さんはローザンヌの出場経験のあるバレエダンサー。眼の大きいくっきりとした顔立ちがステージ映えして、ミュージカル的な表情のつくりかたが非常に巧い踊り子さん。この日観たのは「青い鳥」という演目で、鳥かごのなかの鳥が自由を得て空を飛びまわるようになるまでを、鳥と飼い主の女の子の両方を演じていて、ドラマチックで爽やかなステージに惹き込まれました。

 武藤さんのとどちらも解放をテーマにした振付で、続けて観ると世界が繋がっているみたい。ふたりともストリップに新たな風を送り込んでくれる踊り子さんで、もっともっと観たい、今後どんな方向へ進んでいくのか追っていきたいと思わせてくれる。

 このつぎの回にみおりさんは「くるみ割り人形」をベースにしたバレエの演目をやったようで、そっちも超超超観たかったけれど、帰りの飛行機の都合で泣く泣く退場。

 

 ほんとうは拝見した踊り子さん全員について書きたいのですが、23名ぶん書いたらどんだけ長くなるんだ……と思うので、このへんで。

 前回、ストリップ鑑賞の話を書きましたが、それからさらに何度か通って「もっと語らせて!」という気分になったので、私の好きな踊り子さんについて羅列させてください。まだ10回にも満たない初心者なので、もっと観るとまた変わってくると思いますが、現時点でってことで。私がストリップに通うために札幌と東京をつなぐ地下トンネルを掘ってほしい……。オリンピックの代わりに地下トンネルを……。

 

 真白希実さん

 ダイナミックさと細やかさ、色っぽさを兼ね揃えたステージは完成度が高くて見応えがあります。手足を大きく使ったダンスはとても伸びやか。はじめて観たのはカラフルに光る電飾入りドレスを着た演目で、それまでポラの列に並んだことはなかったけれど、ステージを観てぽーっとしたまま勢いで並び、初ポラをキメました。先日は浅草ロック座でステージへの花の差し入れもやってみましたが、タイミングがずれたらステージをぶち壊しかねないので緊張したよね……。
 人気・実力ともに現在トップクラスの踊り子さんなので、トリをつとめることが多いです。今月10日までは浅草ロック座でフラメンコを踊っています。

 

 小野寺梨紗さん

 なんと歌う踊り子さんです! ヘッドマイクをつけてステージ上で踊りながら歌ったり、ハンドマイクを持って客席をまわったり、歌謡ショー状態。ストリップで歌うことに対しては好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私としてはお得感がすごくある。演歌も洋楽もとても上手です。日本舞踊をやっていたそうで、ダンスは動作がやわらかい感じ。
 ルックスはめちゃくちゃかわいいです! 全身かわいくて妖精みたい! 儚げでどこかあやうい雰囲気で、腕の上部にアームカットのあとがいくつもあって、私が男だったら「おれが彼女を救う!」とガチ恋ファンになっていたであろう。どういう人生を歩んできたのかはわからないけれど、しあわせになってほしい。いや、踊り子さんにはみんなしあわせになってほしいけど、この子はすごくほっとけない感じがあって心配で……。
 今月10日まで川崎ロック座に出ています(余談ですが浅草以外の劇場は10日ごとに出演者が変わります。8月頭・8月中・8月結というように)。いまの時期の川崎は冷房が効きすぎているので、羽織るものを持って行くことをオススメします。

 

 みおり舞さん
 ローザンヌ出場経験のある本格派バレーダンサーです。前も書いたけれど3月に新宿ニューアートで観た「ボレロ」! 詳しくは前回のを読んでください。8月末までは浅草ロック座でインド舞踊を踊っています。

 

 浅葱アゲハさん
 空中ショーで有名な踊り子さん。エアリアルといって、天井から吊り下げられた布をからだに巻きつけて、くるくるまわりながら空中で舞ったりします。シルク・ド・ソレイユでお馴染みのやつですね。この空中ショー、観ていると多幸感で脳にへんな汁がどばどば出ます。
 空中以外のダンスや衣裳もオリジナルな世界観があって唯一無二の存在。そして腹筋バッキバキです。女の筋肉、好き……。

 

 武藤つぐみさん
 ショートヘアに、筋肉質で小柄で全身バネのような肉体。はじめて観たときは仮面をつけていて顔が隠れていたので、「えっ、男の子!?」と一瞬思ってしまったほど少年的。軟体で背筋がとても強く、立って頭を後ろに反らす上体反らしが見事です。
 8月末までは浅草ロック座で、トルコの宗教的舞踏のセマーを題材としたひたすらぐるぐるとまわる神秘的な演目を踊っています。(個人的な話になるけど、私は以前トルコ旅行をしたときにこのセマーの寺院をおとずれ、ヒジャブをかぶって「愛」という文字のネックレスをしたトルコのティーン女子に「日本のアニメが好き」と話しかけられた経験が。英語力もアニメ知識もないため、ろくに会話ができなくて申し訳なかった思い出……)

 

 アキラさん
 かろやかで弾むような、運動量の多いダンスが魅力的。はじめて観たときはアカデミー賞を取った某ミュージカル映画の曲(ストリップにはネット上に曲名を書かないというお約束があるので遠回しな表現ですみません)に合わせてバレエ風のダンスを踊っていて、とてもよかった。
 動きまくるせいかかなりの汗かきさんで、ベットショーのころには背に川のように、それも一級河川の利根川のように汗が流れており、ポーズを決めるごとに空中にしぶきが舞います。オープンショーではタオルを持って汗で濡れた床を拭きながら開脚しています。つぎの踊り子さんが滑って転んだらたいへんだからですね。今月10日まではシアター上野に出ています(この劇場はまだ行ったことがないけれど)。

 

 清水愛さん
「あい」ではなく「まな」と読みます。同じ字で読みが違う声優さんがいるようですが別人です。小柄で骨格が華奢ですが、ダンスはキレがあってパワフル。とくにヒップホップは観ていて小気味良い。某「拾ったノートに人名を書くとそのひとが死ぬ漫画」をモチーフにした演目があるのですが、ツインテールのヒロインのコスプレがとても似合っていました(まどろっこしい文で申し訳ない)。
 細い上半身に反して、ふとももはアスリートのようにがっちりしていて格好いい。腹筋も超かたそう。今月10日までは広島の劇場に出ています。

 

 ほかにも素敵な踊り子さんはいっぱいいるのですが、ひたすら羅列するよりは実際に観たほうがいいと思うのでこのへんで。今年は日本のストリップ70周年の記念の年だしね。それに同じ踊り子さんでも、演目によって印象ががらりと変わります。初見ではいまいちだと思っていてもほかの演目で圧倒されたり、その逆もあったり。いつどこの劇場にだれが出演するのか? というのはこういうサイトで調べられます。

 私はどちらかというと引き締まっていてダンスの巧い踊り子さんや、一芸を持ってる踊り子さんが好きなのですが、どこに魅力を感じるかはひとそれぞれ。芸歴20年オーバーの踊り子さんも珍しくないのがストリップの世界、ベテラン勢の魅せかたを心得た円熟味のあるパフォーマンスや、加齢と自己鍛錬のあいだで揺れる肉体もうつくしいものです。

 

 文字ばかりなので最後に写真を。川崎ロック座。(出演者一覧のポスターと車のナンバーはいちおうぼかしを入れています)

 

 

川崎ロック座

 

 この写真では見えませんが、店先に2匹のでっかい亀(クサガメ?)がいます。なんで?

 今年の1月から4月にかけて、新刊(『凜』講談社より発売中です! よろしくお願いします!)のインタビューを受けたりするため、月1回ペースで上京していた。で、上京中の空いている時間、なにをしていたかというとストリップ鑑賞です。浅草ロック座に2回、新宿ニューアートに1回、池袋ミカド劇場に1回行った。

「ストリップを観る」ということに対して、性的な搾取に荷担しているのでは……と後ろめたさも感じているのだが、でも好きなので語りたい。語らせてください。

 それにしても、女性が他人の女性器をじかに見ることはあまりないのではないか。男性ならトイレで横をぬっと覗き込めば、かんたんに同性の性器を見ることができる(「いや、覗き込んだりしないよ!」とこれを読んでいる男性陣は突っ込みたくなるかもしれないけど)。私はスーパー銭湯やサウナが好きで、そういった場ではみな裸になっているにもかかわらず、「ひとの局部がばっちり見えてしまった!」という経験をしたことがない(べつに見たいわけではないです)。引っ込んでいる形状のせいというのも多分にあるだろうけど、すごく妙なことのように感じる。

 

 話がずれてしまった。はじめてストリップを観たときは、「女神……!」という凡庸にもほどがある感想が浮かんで自分の発想の貧しさに若干落ち込んだが、初見でこの言葉を思い浮かべないひとはいないと思う。

 ストリップの流れをかんたんに説明すると、まず、本舞台で着衣で2〜3曲ほど踊る。それから舞台上で、あるいはいったん袖に引っ込んで、脱ぎやすい薄物やセクシーなランジェリーすがたになり、細長く伸びた花道を踊りながら進んで盆と呼ばれる回転する円形のステージ(中華料理店の円卓を大きくしたものを想像してください)に辿り着く。この盆でおこなわれるのがメインであるベットショー(ベッドではなくベットが正しいらしい。外来語が下手な時代についた名称なんだろうか?)だ。ストリップと言われてたいていのひとが思い浮かべる、裸でライトアップされながら踊るショーです。

 正直、本舞台での着衣のダンスは、踊り子さんや演目によって惹きつけられたりいまいちだったり……とばらつきがあるが、盆に寝そべったとたん、どんな踊り子さんも例外なくひとりひとりがほんとうに特別な輝きを放つのだ。ピンクや青の照明を浴びた汗ばんだ肌は独特の光沢を放ち、なまめかしいのにつくりものめいた不思議な質感で、ポーズを決めて静止するすがたは生きている彫刻のようだ。

 私がはじめてストリップを観たのは浅草ロック座で、ここではベットショーが終わってはける直前のほんの一瞬、踊り子さんに花束を渡すことができる。笑顔のおじさんが跪いて女神に花束を捧げるすがたはすごくよかった。


 現在の日本のストリップ劇場は大まかにポラ館とそれ以外に分かれる。ポラ館とはポラロイド撮影のできる劇場で、いったん舞台袖にはけた踊り子さんが衣裳チェンジして出てきて、有料でポラロイド撮影ができる、お客さんとの交流タイムがある。差し入れを渡したり喋ったり、要するにアイドルの握手会みたいなものだ。撮影は着衣と全裸の好きなほうを選べて、ポーズも指定できる。
 女神がしもじもの者の指示に従ってポーズを取って写真を撮られ、会話を交わすなんて……とはじめてポラタイムに遭遇したときはかなり複雑な気持ちになってしまった。ポラが終わったあとは再度衣裳チェンジしてアップテンポの明るい曲とともに登場し、オープンショーがおこなわれる。指で局部を広げたりと笑顔でけっこう露骨なことをするショーです。正直私はポラタイムとオープンショーは踊り子さんの負担的にどうなんだろうって思うけど、劇場の収入や集客を支えている面もあるのだろう。

 私にとっての初ポラ館はゴールデン街の入口のすぐ近くにある新宿ニューアートだった。おっさんパラダイスな空間で、女性ひとり客には正直けっこう居心地が悪く、はじめてのストリップがここだったら印象がかなり異なったのではと思う。とはいえ、女性客だからといって不快な思いをさせられることはめったにない……はず。
 池袋ミカド劇場はさらに場末感のある空間で、圧倒的に狭く、盆は回転しない。盆というよりも短い花道って感じ。正直キツいなと場内に入ったときはぎょっとしたものの、お客さんのあいだにアットホームな雰囲気があり、席を譲ってもらったり気さくな男性客に「ボクのつくった踊り子さんランキング」的なペーパーをもらったりと、慣れれば過ごしやすかった。私はここではじめて「リボンさん」を見た。踊り子さんの決めポーズに合わせて紙テープを客席の端から飛ばす職人芸的な応援をするお客さんたちのことです。ほかにも「タンバさん」というタンバリンを叩いて応援するひとたちもいる。
 でもまあ、女性の初鑑賞なら非ポラ館である浅草ロック座をオススメします。バックダンサーもいてショーアップされていてあまり露骨じゃないし、劇場に清潔感があって映画館みたいな座席だし、女性客がそこそこいるし。あと、どこの劇場もたいてい女性割引をやっています。

 

浅草ロック座

 

新宿ニューアート

 

池袋ミカド劇場

 それぞれの場内図。うろおぼえなので間違っている可能性大。あと、浅草ロック座には本舞台の奥から前盆の手前まで進む移動盆もあるのですが、書き忘れました。

 

 私のいまのイチオシ踊り子さんはみおり舞さん。元バレエダンサーでローザンヌに出場経験があるそうです。はじめは浅草ロック座で観て、ベットショーでの見事なI字バランスや足指の使いかた(足の指で器用にリボンをつまんでポーズを取っていてその指の動きがとても色っぽかった)などに感銘を受けたが、そのときはそんなに強い衝撃はなかった。だけど、その後新宿ニューアートでラヴェルの「ボレロ」に合わせて全裸でバレエを踊る演目を観て、彼女のことが大好きになってしまった。

 通常はダンスショーとベットショーを3〜4曲使って踊るところを、「ボレロ」1曲で踊り通す潔い演目だった。前述のとおり、普通は着衣で登場して本舞台で踊るのだが、彼女は全裸にアクセサリーだけを身につけて盆に横たわった状態からスタートした。踊りはじめたとたん、場内の空気が変わるのがわかった。ゴールデン街のすぐ脇にある地下のストリップ劇場にいるという認識がだんだん薄れていき、古代ローマの野外劇場で神に捧げる踊りを観ているんじゃないだろうかと思ったぐらい、神々しかった。

 もういちど観たくてつぎの回も観たのだが(入れ替え制ではないのでいちど入場したらその日は何公演でも観ることができます。受付に券をもらえば再入場も可)、今度はミュージカル調の違う演目だった。ダンスなのではっきりとしたストーリーはわからないけど、田舎から出てきた少女がダンサーを目指し……みたいな話だったように思う。こっちも踊ることの喜びに満ちていて、観ているうちに涙がこみ上げてきた。

 ほかにも好きな踊り子さんや見たいと思っているのになかなかタイミングが合わない踊り子さんがいるけれど、その話はまたの機会にでも。

 

 全国のストリップ劇場は着々とすがたを消しつつあり、私の住んでいる札幌も数年前になくなった。今後空前のストリップブームが起こり、子どもの将来の夢第1位がストリッパーになったり女性誌で「ストリップダンサーに学ぶモテテク!」などの特集が組まれたりEテレで「趣味のストリップ鑑賞」という番組がはじまったりする日がやってくる可能性もゼロではないが、やっぱり消えゆく芸能なんだろうかと歯がゆく思っている。踊り子さんも永遠に踊り続けるわけではなくみなさんいつか引退するので、興味があるかたは、いちどぜひ。

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