私にとって夏の果実とはすいかでもメロンでもなく、すももだ。独特の爽やかな甘酸っぱさは、まさに夏休みの味(子どものころの夏休みにすももを食べた記憶はとくにないけど)。現在、すももリレーマラソンの最終ランナーである太陽という種類が店頭に並んでいる。そろそろお別れね、すもも。約二ヶ月間ありがとう……。
 すももの品種はいろいろあり、店頭で見かける種類も年々増えている。私が食べたことのある品種のなかで、あまりすももを食べたことがないひとやなんとなく苦手意識を持っているひとにオススメしたいのは、大ぶりでとても甘くてジューシーな貴陽。私がいちばん好きなのは、完熟直前のソルダム。
 すももは火を通すと味が濃くなってまたおいしいので、今年はケーキやジャムなどいろいろ試してみた。そのなかでとくに気に入ったものを、来年の自分のためにもここに記しておきたい。来年はなにもかも忘れて「すいか最高!」とか言っている可能性もあるので。人間は心変わりをする生きものです。

【りんごとソルダムのパイ】
りんごとソルダムのパイ
 りんごとすももは加熱するとすごく相性がよくなる(ただしすもものほうがパワフルな味になるので、量のバランスに注意)。ソルダムは、甘みと酸味の両方がくっきりしているうえ、果肉が鮮やかな赤で見栄えするので加工向き。青い状態で売られていることが多いですが、赤紫っぽいものを買うことをオススメします。ソルダムは熟すととても甘くなります。(青いのを買って家で追熟しようと思ってもうまく行かないことがある)(青いままでもそれはそれで食べられるけど)
 以下、20×8×3.1cmの長方形タルト型でつくる場合のレシピ。21cm円型で焼く場合はすべてを倍量に。

[練りパイ生地]
・薄力粉…55g
・バター(1cm角に切って冷凍しておく)…25g
・塩…少々
・砂糖…ひとつまみ
・冷水…20g

[フィリング]
・りんご…1個
・ソルダム…2個
・きび砂糖…大さじ1と1/2
・パン粉(パイの底に敷く)…適量

[クランブル]
・薄力粉…35g
・バター(1cm角に切る。こっちは冷凍しない)…15g
・きび砂糖…15g
・シナモンパウダー…ひとつまみ

1.練りパイ生地をつくる。フードプロセッサーに冷水以外の材料を入れて、ガッガッガーッ! と撹拌する。さらさらの状態になったら止めて、冷水を入れ、さらにガッガッガーッ! とやる。
2.ぽろぽろした状態になったら止め、ボールにあけて手で軽くひとまとめにし、カード(ない場合は包丁)で切っては重ね、切っては重ねと3〜4回繰り返す。ラップで包み、冷蔵庫で3時間以上寝かせる。
3.台に薄力粉を振り、生地を麺棒で伸ばしていく。型よりも大きくなったら型にのせ、余った部分を落とす。底にフォークで空気穴をいくつか開け、ひとまず冷凍庫へ。
4.オーブンを[180℃ 35分]にセットして余熱しておく。
5.クランブルをつくる。材料をすべてフードプロセッサーに入れ、ガッガッガーッとやってぽろぽろの状態になったら止める。
6.りんごをいちょう切りにし、ソルダムを四等分ぐらいに切り(ソルダムの皮は剥かない)、きび砂糖であえる。
7.パン粉をパイ生地に敷き(果物から出る水分を吸わせるため)、りんごをすべてのせ、そのうえにソルダムをのせ、さらにクランブルをのせる。(かなりこんもりしますが、焼くとかさが減ります)
8.オーブンで焼いてできあがり。
りんごとソルダムのパイ断面

【大石早生のシャーベット】
大石早生のシャーベット
 たぶん日本ではいちばん多く出回っているすもも、大石早生。入手しやすいのはいいが、けっこう当たり外れがあって水っぽいものも多い。水っぽいがっかり大石早生を試しにまるごと冷凍して、がりがり食べてみたところ、生で食べるよりもおいしかった。そこで、ミキサーを使ってシャーベットっぽくしてみた。

・大石早生…4個
・砂糖…100g
・水…100g

1.大石早生の種を除いて四等分ぐらいに切り、ジップロップ袋に入れて冷凍する。
2.水と砂糖を鍋に入れ火にかけてシロップをつくり、冷蔵庫で冷やしておく。
3.凍ったすももをフードプロセッサーに入れ、シロップを少しずつ入れながら好みのかたさになるまでガーッと撹拌する(シロップは全部は使いません。残ったらアイスティーにでも入れてください)。
※大石早生の果肉は黄色だが、皮ごとつくればピンクっぽい色に。もちろんほかの種類のすももでもおいしくつくれます。

【ソルダムのジャム】
ソルダムのジャム

・ソルダム…お好きな量
・きび砂糖…ソルダムの重量の30〜50%

1.瓶を煮沸消毒しておく。蓋とスプーンもいっしょに。
2.ソルダムは種を除いて皮ごと刻んで、ステンレスの鍋に入れ、きび砂糖をかけて30分ほど放置する。
3.鍋を火にかけてじっくり煮て、とろみが出てきたら火を止める。
4.瓶に詰める。
※長期間保存する場合は、瓶に詰めたあとに脱気→煮沸をやってください。
※いちょう切りにしたりんごといっしょに煮て、りんごソルダムジャムにしてもおいしいです。

 おまけ、つくってみたがリピートするほどでもなかったものたちの供養。
その他すももスイーツ
 左上はソルダムとマリービスケットのアイスクリーム(ソルダムだけのシャーベットのほうがおいしい)、右上はりんごソルダムジャムの魚型ケーキ(味はおいしかったが型離れが悪かった、これはアルミ型の下準備の問題)、左下はりんごとソルダムのケーキ(なんかじっとりしてしまった)、右下はネクタリンとプルーンのパイ(ネクタリンはすももではなく桃の仲間で、やはり私はすもものほうが好みだと思った)。