発売から一か月以上経過していまさらな告知なのですが、『愛を振り込む』が文庫になりました。幻冬舎より税込583円です。2013年に出たもとの単行本よりも、サイズ的にもお値段的にもお求めやすくなっています。

 

愛を振り込む文庫版


 装丁は単行本のときと同じく大久保伸子さん。写真は大村祐里子さんの作品をお借りしました。私の本で表紙にイラストではなく写真を使っているのははじめてですね。雰囲気があって想像が広がる感じの写真で、気に入っています。
 中身はといいますと、一枚の千円札をめぐる短編連作集になっています。二十代後半から三十代前半の女性がそれぞれ主人公で、うまくいかない現状に足踏みしている彼女たちが出口を求めて足掻くお話です。私はお金のことが苦手で(そもそも指を使わないと繰り下がりの引き算ができないぐらい数字がわからない)、金銭的な将来設計を考えようとすると宇宙空間のことを考えるときと同じぐらいかそれ以上に意識がもうろうとするし、家計簿をちゃんとつけたことすらないのですが、この小説はお金が全体を通してのモチーフになっています。

 

 続いて、雑誌掲載をふたつほど。
 現在発売中の「小説現代」3月号の、猫好きのためのにゃんそろじーと題された猫小説特集に短編を書いています。「ファントム・ペインのしっぽ」というタイトルです。

 

小説現代3月号

 

 猫アンソロジーに書くことは夢のひとつだったので、叶って嬉しいです。そうそうたるメンバーのなかに混じっていて、場違いな感じがはなはだしいですが……。猫小説といっても、癒やし系の話ではなくなんだか辛気くさい話になってしまいましたが、読んでいただけますとさいわいです。

 

 あと、「特選小説」4月号に「修羅の君」という短編を書いています。こちらも現在発売中です。「特選小説」は成人指定のアダルティな雑誌ですので、ご注意を!

 

特選小説4月号

 

 修羅の君とはなにかっていうと、クレマチスの品種名です。花の。主人公は寺沢くんという青年でヒロインは美佐世さんという女性なのですが、このふたりの名前もクレマチスの品種名から取っています。

 私は去年の秋にベランダをクレマチスで覆い尽くそうと思い立ち、苗をいくつか買って植え替えて春に備えていたのですが、冬のあいだに飢えたカラスに荒らされほじくられ、芽が出る前にやる気を失っている状態です。花で埋めるはずのベランダは現在土がまき散らされて荒野のようなありさまに。

 

 それと! 3月14日に書き下ろしの長編が講談社より出る予定です。タイトルは『凜』。現代と大正時代を舞台にしたお話です。いままで書いてきたものとはがらりと変わっているんじゃないかなと思っています。

 詳しくは発売日になってから告知させてください。とはいえ、ちょうど確定申告(まだまったく着手していない)の締切と時期がかぶっていて、さきのことはなにも考えたくない気分なのですが。無事に確定したり申告したりできたら(そもそも毎年「これで合ってる……?」とどきどきしながら提出しているので、むしろ不確定申告と呼びたい)、また、ここで!