読楽4月号
 いま店頭で売られている徳間書店の文芸誌「読楽」2015年4月号に、「フードコートのフラニーとゾーイー」という短編小説を書きました。三十代半ばの双子の兄妹が主人公で、地方都市にとどまり結婚した兄と、東京に出たものの行き詰まっている妹、それぞれの物語を描いています。書店でお見かけの際はどうぞよろしくお願いします。タイトルに入っている小説のファンには怒られるかもしれませんが……。
 ちなみにフードコートのモデルは近所のイ○ンです。
読楽4月号

 それと、昨年「きらら」で連載していた小説を改題した『フィッターXの異常な愛情』も、4月1日エイプリルフールに小学館より発売予定です。タイトルだけでなく中身もけっこう変えてあるので(おもに終盤を)、連載で読んだくださったかたもまた読んでいただけると嬉しいです。発売されたらまたしつこく紹介します。
フィッターXの異常な愛情
 装丁はこんな感じでできあがりつつあります!

 去年の1月に、劇場で観た映画はブログに記録しようと決めたのだが、3月で止まってしまっていた。もう3月の下旬だけど仕切り直しで今年の1月ぶんから書いていくようにしたい。今年はきちんと12月まで続けたいと(いまは)思っている。いや、せめて6月までは。

『毛皮のヴィーナス』
 ポランスキーおじいちゃんの新作。前作『おとなのけんか』は4人の会話劇だったが、今回は終始ふたりのみ。そういやポランスキーの長編デビュー作『水の中のナイフ』も3人しか出てこない話だったので、最近の流れは原点復帰なのだろうか。
 欲望を介した男女のパワーゲームであると同時に、ポリティカル・コレクトネスについての話でもある。マチュー・アマルリックはものすごく巧かったが、エマニュエル・セニエは役柄的にもっと若い女優のほうがよかったのでは……。まあ、ポランスキーの「この役を自分の奥さんにやってほしい!」という気持ちもよくわかるけど……。文化系隠れミソジニー男である脚本家のトマが断罪される話だが、トマを演じるマチュー・アマルリックが大きな眼を欲望に濡らしてふらふらになってるさまが最高にチャーミングでぜんぜん憎たらしく思えないのが、いいのか悪いのか。まあ眼福だったのでよし。

『マップ・トゥ・ザ・スターズ』
 クローネンバーグ版『サンセット大通り』あるいは『マルホランド・ドライブ』つまりハリウッド残酷物語。クローネンバーグの前作『コズモポリス』は観ているあいだ完全に置いてきぼりをくらい、自分がなにを観ているのかもよくわからなくなってしまったが、これはちゃんと面白かった。清と濁のコントラスト(まあどちらも狂気ではあるわけだが)が鮮やかで、どす黒く悪意たっぷりの話のわりには後味爽やか。
 珍しく金髪のジュリアン・ムーアは平素と違い(いや、プライベートを知っているわけじゃないけど)最高にバカそうで、ロバート・パティンソンはやっぱりクローネンバーグ作品限定でうつくしくて、ミア・ワシコウスカはキュートで(役柄は凄まじいが)あのボブヘアを真似たいなあと思って映画館のトイレの鏡を見て現実に戻りました。

『ANNIE/アニー』
 祝・ラジー賞「最低リメイク・パクリ・続編賞」受賞! 元シンガーという設定のキャメロン・ディアスがいちばんウタヘタだったのはご愛敬。秘書役のローズ・バーンがチャーミングで良かった。映画のなかでさんざん明るく爽やかな「Tomorrow」を聴いたあとに、エンドクレジットで駄目押しのように流れる平井堅バージョンのねっとり歌唱のハーゲンダッツみたいな味の濃さよ……。

『百円の恋』
 とにかく主演の安藤サクラがすごいボクシング映画。私が32歳だったら、映画館から出るなり近所のボクシングジムを検索しただろう。途中までしつこいシーンやギャグにううーむ……と冷めていた部分もあったが、終盤で肉体の持つ説得力がすべてをねじ伏せてなぎ倒していく。安藤サクラのフットワークのうつくしさ、そして白目を剥いたぼこぼこの顔の壮絶さ。
 トレーナー役のひとは演技とは違う真実味があり、あのジムの本物の従業員を起用したのだろうかと気になったのだが、トレーナー兼俳優とのことで納得。しかし、ホテルで襲われるシーンに笑いを入れてくるのは観ていてもやもやしたし、いま思い出してもやっぱりもやもやする。

 年の瀬でお忙しい時期と思いますが、書いたものがあちこちに載っているのでその情報をお知らせしにのこのこと出てまいりました。

掲載誌

 小学館の小説誌「きらら」で連載していた『フィッターXの箴言』が1月号で最終回を迎えました。約1年間おつきあいいただきありがとうございました。春には書籍化する予定ですが、本ではけっこう書き直していて終盤の展開がまったく違うので、今回の掲載ぶんは幻の最終回!です。

 徳間書店の「読楽」1月号に「さばきにあう」というタイトルの短編小説が掲載されています。過去にも何度か載せてもらっている「帰省と初恋」モチーフ短編のシリーズです。今回の舞台は利尻島。タイトルは以前おとずれたときに島にあった小屋の壁に打ちつけられていたキリスト看板から取りました。

「特選小説」2月号に「女は二度逃げる」という短編を書きました。いいにおいのするふっくらとした熟女に抱きしめられたい……と思いながら書いた小説です。「特選小説」は18歳以上が対象のアダルティな雑誌ですので、ボーイズ&ガールズはお気をつけください。

それにしてもどの雑誌も正月感たっぷりの表紙で、年末の焦燥感が否が応でも高まって叫び出しそうになりますね……。