掲載誌
 いま掲載されているもろもろのお知らせです。徳間書店の小説誌「読楽」9月号に「ロージーチークの眠り姫」という短篇を書きました。これは「帰省と初恋」をモチーフにしたシリーズのひとつで、ひさびさに書いた男性主人公モノです。キーワードは、帰省/商店街/親の介護/初恋/ハロワ/玉子焼き、あたりでしょうか。

「きらら」9月号には連載『フィッターXの箴言』の第7回が掲載されております。全11回の予定なので、後半にさしかかっています。早いものですね。

 あと、札幌市男女共同参画センターの情報誌「りぷる」vol.36にコラムを書きました。これはネットでもPDFで読めますので(こちらです)、お時間がありましたらどうぞ。

 私にとって夏の果実とはすいかでもメロンでもなく、すももだ。独特の爽やかな甘酸っぱさは、まさに夏休みの味(子どものころの夏休みにすももを食べた記憶はとくにないけど)。現在、すももリレーマラソンの最終ランナーである太陽という種類が店頭に並んでいる。そろそろお別れね、すもも。約二ヶ月間ありがとう……。
 すももの品種はいろいろあり、店頭で見かける種類も年々増えている。私が食べたことのある品種のなかで、あまりすももを食べたことがないひとやなんとなく苦手意識を持っているひとにオススメしたいのは、大ぶりでとても甘くてジューシーな貴陽。私がいちばん好きなのは、完熟直前のソルダム。
 すももは火を通すと味が濃くなってまたおいしいので、今年はケーキやジャムなどいろいろ試してみた。そのなかでとくに気に入ったものを、来年の自分のためにもここに記しておきたい。来年はなにもかも忘れて「すいか最高!」とか言っている可能性もあるので。人間は心変わりをする生きものです。

【りんごとソルダムのパイ】
りんごとソルダムのパイ
 りんごとすももは加熱するとすごく相性がよくなる(ただしすもものほうがパワフルな味になるので、量のバランスに注意)。ソルダムは、甘みと酸味の両方がくっきりしているうえ、果肉が鮮やかな赤で見栄えするので加工向き。青い状態で売られていることが多いですが、赤紫っぽいものを買うことをオススメします。ソルダムは熟すととても甘くなります。(青いのを買って家で追熟しようと思ってもうまく行かないことがある)(青いままでもそれはそれで食べられるけど)
 以下、20×8×3.1cmの長方形タルト型でつくる場合のレシピ。21cm円型で焼く場合はすべてを倍量に。

[練りパイ生地]
・薄力粉…55g
・バター(1cm角に切って冷凍しておく)…25g
・塩…少々
・砂糖…ひとつまみ
・冷水…20g

[フィリング]
・りんご…1個
・ソルダム…2個
・きび砂糖…大さじ1と1/2
・パン粉(パイの底に敷く)…適量

[クランブル]
・薄力粉…35g
・バター(1cm角に切る。こっちは冷凍しない)…15g
・きび砂糖…15g
・シナモンパウダー…ひとつまみ

1.練りパイ生地をつくる。フードプロセッサーに冷水以外の材料を入れて、ガッガッガーッ! と撹拌する。さらさらの状態になったら止めて、冷水を入れ、さらにガッガッガーッ! とやる。
2.ぽろぽろした状態になったら止め、ボールにあけて手で軽くひとまとめにし、カード(ない場合は包丁)で切っては重ね、切っては重ねと3〜4回繰り返す。ラップで包み、冷蔵庫で3時間以上寝かせる。
3.台に薄力粉を振り、生地を麺棒で伸ばしていく。型よりも大きくなったら型にのせ、余った部分を落とす。底にフォークで空気穴をいくつか開け、ひとまず冷凍庫へ。
4.オーブンを[180℃ 35分]にセットして余熱しておく。
5.クランブルをつくる。材料をすべてフードプロセッサーに入れ、ガッガッガーッとやってぽろぽろの状態になったら止める。
6.りんごをいちょう切りにし、ソルダムを四等分ぐらいに切り(ソルダムの皮は剥かない)、きび砂糖であえる。
7.パン粉をパイ生地に敷き(果物から出る水分を吸わせるため)、りんごをすべてのせ、そのうえにソルダムをのせ、さらにクランブルをのせる。(かなりこんもりしますが、焼くとかさが減ります)
8.オーブンで焼いてできあがり。
りんごとソルダムのパイ断面

【大石早生のシャーベット】
大石早生のシャーベット
 たぶん日本ではいちばん多く出回っているすもも、大石早生。入手しやすいのはいいが、けっこう当たり外れがあって水っぽいものも多い。水っぽいがっかり大石早生を試しにまるごと冷凍して、がりがり食べてみたところ、生で食べるよりもおいしかった。そこで、ミキサーを使ってシャーベットっぽくしてみた。

・大石早生…4個
・砂糖…100g
・水…100g

1.大石早生の種を除いて四等分ぐらいに切り、ジップロップ袋に入れて冷凍する。
2.水と砂糖を鍋に入れ火にかけてシロップをつくり、冷蔵庫で冷やしておく。
3.凍ったすももをフードプロセッサーに入れ、シロップを少しずつ入れながら好みのかたさになるまでガーッと撹拌する(シロップは全部は使いません。残ったらアイスティーにでも入れてください)。
※大石早生の果肉は黄色だが、皮ごとつくればピンクっぽい色に。もちろんほかの種類のすももでもおいしくつくれます。

【ソルダムのジャム】
ソルダムのジャム

・ソルダム…お好きな量
・きび砂糖…ソルダムの重量の30〜50%

1.瓶を煮沸消毒しておく。蓋とスプーンもいっしょに。
2.ソルダムは種を除いて皮ごと刻んで、ステンレスの鍋に入れ、きび砂糖をかけて30分ほど放置する。
3.鍋を火にかけてじっくり煮て、とろみが出てきたら火を止める。
4.瓶に詰める。
※長期間保存する場合は、瓶に詰めたあとに脱気→煮沸をやってください。
※いちょう切りにしたりんごといっしょに煮て、りんごソルダムジャムにしてもおいしいです。

 おまけ、つくってみたがリピートするほどでもなかったものたちの供養。
その他すももスイーツ
 左上はソルダムとマリービスケットのアイスクリーム(ソルダムだけのシャーベットのほうがおいしい)、右上はりんごソルダムジャムの魚型ケーキ(味はおいしかったが型離れが悪かった、これはアルミ型の下準備の問題)、左下はりんごとソルダムのケーキ(なんかじっとりしてしまった)、右下はネクタリンとプルーンのパイ(ネクタリンはすももではなく桃の仲間で、やはり私はすもものほうが好みだと思った)。

 香りを売りにした柔軟剤がスーパーの洗剤売り場の一角を占めるようになって久しい。それどころか、香りづけ専用洗剤まで売られている。汚れを落とす効果も柔軟作用もない、ただ良い香りをさせるためだけの洗剤。「車のダッシュボードに敷かれた無意味な白いムートン」や「股間部分に穴が開いており性器を覆うという役割を果たさないエロ下着」みたいな商品だ。
 ところで私は柔軟剤のたぐいをめったに使わない人間である。「せっかく洗濯してきれいになったものに、ぬるぬるした液体をつけるなんて!」と思っている。あるいは、部屋干しがデフォルトの北海道民であるせいかもしれない。香りつき柔軟剤を使って洗濯して部屋に干すと、室内が湿った人工的な香りに満たされて気持ち悪くなるのだ。だが、いまの香りつき柔軟剤の百花繚乱っぷりを見ると、この件に関しては自分がマイノリティであることを認めざるをえないようだ。

 香りつき柔軟剤の特徴として、「名前がきらびやか」というのがある。売り場でいつも、趣向を凝らした表現に驚かされている。たとえば、P&Gのレノアのラインナップはこうだ。
レノア一覧

「フレッシュグリーン」とか「フルーティソープ」はまだ香りの想像がつくのだが、「プリンセスパール&ドリームの香り」、訳すと姫真珠と夢の香りとはいったいどんなにおいなのだろう。「アメジストバニラ」「ルビーフローラル」「エメラルドブリーズ」も、鉱物のにおいなんて嗅いだことないし……と不安になってくる。レノアオードリュクスに関しては、イノセントとセンシュアル、つまり「無垢」と「官能的」の2種を展開している。非常にエロティック。任天堂さん、つぎのポケモンは「ポケットモンスター イノセント/センシュアル」でいかがでしょう?

 香りの名前に凝っているのは柔軟剤だけではない。トイレ用品にも多種多様な香り名があふれている。つぎの表は小林製薬のブルーレットおくだけのラインナップ。
ブルーレット一覧

「心地よいピンクソープの香り」。おピンクなソープだなんて、そりゃ心地よくて当然だと思う。いかがわしすぎる。「洗いたてほのかな柔軟剤の香りホワイティーフローラル」はトイレの洗浄剤なのに、柔軟剤の香りがするとアピールしている。なにかがねじ曲がっている。
 このなかでひときわ目を惹くのは、「心ときめくセレブリティーアロマの香り」だろう。ブルーレットなのにセレブ。無理しすぎてない? 都会に馴染もうと背伸びしすぎてない? いぶりがっこときりたんぽを送ったから食べて故郷を思い出してね。疲れたら帰ってきなさいよ。と田舎のお母さんの気持ちになってくる。辞書を引いたところ、celebrityとは「1 名声、功名 2 名士、有名人」であるらしい。セレブという言葉が日本で曲解されて使われるようになって久しいが、行き着くところまで行き着いた感がある。

 トイレ用の消臭芳香剤もいろいろと賑やかだ。下は、エステーの消臭力トイレ用と小林製薬のトイレの消臭元のラインナップ。
トイレ消臭芳香剤一覧

 なぜかこのジャンルは「心」という言葉の登場頻度が非常に高い。心がやすらいだりおどったり透きとおったりなごんだりすっきりしたり、大忙しだ。トイレの消臭芳香剤とはこんなにも心を動かすものだったのか。知らなかった。

 香りブームの影響なのか、こういう商品もあります。
ローズの香り蚊取線香
 はなやぐローズの香りのかとりせんこう。